【書評】まんがわかる デザイン思考
デザイン思考とは何か知りたい、将来PdMを目指しているという方にオススメです。
漫画形式でストーリーも赤字経営のカフェチェーンを立て直すという現実的なお話なので分かりやすくサクッと読めました。
あとはよく見かける「カスタマージャーニー」や「ブレインストーミング」についても触れられており、実施の流れやポイントについても記載されている点が良いと感じました。
逆にデザイン思考について知っている方や既にPdMとしてプロダクトマネジメントをされている方などにとっては物足りないだろうなと感じました。
本書から得られる情報は
- デザイン思考とは何か?
- デザイン思考の各プロセスについて
- 各プロセスをスムーズに進めるための手法やフレームワークについて
などを簡単に触れられるというだけで、それ以上のことは得られません。
私みたいな「デザイン思考って何ですか?」という人が最初に読む本としては適していますが、そうでない人は読んだところで得られるものは少ないだろうなと思いました。
社内SEやコーポレートエンジニアにも読んで欲しい
私は現在コーポレートエンジニアとして社内の業務改善を行なっていますが、ぜひ社内SEやコーポレートエンジニアの方にも読んでほしいと思いました。
特に私のような社内の業務改善を行なっている人は社内PdMと捉えることもできると思っていて、従業員の体験を良くするという観点でデザイン思考という考え方を取り入れるのはアリだと思いました。
どこにペインがあってそれをどう実現するのかというのはプロダクトも社内も変わらないので、社内SEやコーポレートエンジニアであってもこのような思考を持つことは大事であると考えます。
また本書でも触れられていますが、ユーザからの声を安易に聞くのは危険でこちらからアプローチをすることも重要だと思っていましたが、本書で触れられている「カスタマージャーニーマップの作成」「ブレインストーミング」などの手法やフレームワークがあるとアプローチしやすいなと感じました。
私は全社員が利用するSlackアプリの開発などに携わってきましたが、改善点や潜在的ニーズを洗い出すためにこのようなフレームワークなどを活用してみようと思います。
解説だけでなくマネジメント的な観点も触れられている
例えばブレインストーミングを実施する上でのポイントとして
- 質より量にこだわろう
- 案は多数決で決定しよう
などの手法そのもののポイントがいくつかあげられているのに対し、
- 上下関係の影響を排除する
- 支配欲に気を付ける
などの人間関係やマネジメント的な観点についても触れられているのが良いですね。
このあたりは気をつけないと実施そのものが苦痛となってしまい、潜在的ニーズからイノベーションを生み出すという本質的な部分から遠のいてしまうため、最も重要だと考えます。
ここは自分を含めて誰しもがやってしまう可能性がありますので、意識しないといけない点だと思いました。